寄り道の先で見つけた、旅の余白。
地図に付けた印を順番にたどるつもりで出かけた朝。けれど、金沢の街を歩いているうちに、予定にはなかった細い道が気になりました。次の目的地へ急ぐ代わりに、少しだけ寄り道をしてみることにしました。
立ち止まると、見えてくるもの。
軒先に置かれた小さな鉢植え、窓越しに見える器、通りに落ちるやわらかな光。歩く速さを落とすと、通り過ぎていたはずの景色が、ひとつずつ目に入ってきます。
気になった喫茶店でひと休み。手帳を開いて、その日に見つけたものを短いことばで書き留めました。写真を撮らなくても、湯気の向こうに見えた窓辺の景色は、思いのほか鮮やかに残っています。
すべてを回らなくても、満ち足りた一日。
夕方、地図を見返すと、まだ訪れていない場所がいくつもありました。それでも、心残りというより、また来る楽しみができたように感じました。
たくさんの場所を巡る旅も、ひとつの街をゆっくり味わう旅も、それぞれに良さがあります。その日の気分に合わせて立ち止まれることも、旅の楽しみなのかもしれません。
予定を少し空けておくと、思いがけない景色が入ってくる。